小学校時代~ママのカタカナ英語
「小学校時代」なんて書くと、「ほら。やっぱり小さい時からやってるから、できるようになったんでしょ。」という声が返ってきそうだが、とんでもない。
私が、英語の勉強を始めたのは、日本人の大半の方々と同様、中学1年生からである。
今のように子供の英語教室だの、小さい子向けの英語教材が溢れかえっているような状況ではなかった。お友達の中にも、英語教室に通っている子はいなかった。当時(1970年代)、まだまだお稽古事の主流は、お習字、そろばん。その次にはピアノが相場だった。あとは、中学受験または学校の補習のための学習塾。私が通っていたのも、ピアノとお絵かき教室という芸術系であった。
そういった環境で、私にとっての英語とは、母が教えてくれる英語であった。
といっても、本格的に英語を教えてもらっていたわけではない。
日常の会話の中で、ちょこっと単語を教えてもらっていただけである。
「りんごは、英語で『アップル』っていうのよ。」
「みかんは、『オレンジ』」
「水は、『ウォーター』」
「英語の数字は、ワン、ツー、スリー......」
「もう1回は、ワンス モア」
ようするに、「カタカナ英語」である。
教育熱心だった母は、少しでも娘のためになるだろうと思ってしてくれていたことであろう。その努力は評価したい。
また、母の名誉のためにも付け加えておくが、英語は得意科目で学年でも優秀な方だったらしく、英語クラブなぞにも所属してようだ。つまり、きちんと学校で教えてくれることを熱心に勉強し、身に着けている学生だったわけである。それにして、あの完璧な「カタカナ発音」。
これは、母のせいではなく、当時の英語教育の責任である。
小さい子供にとって、母親の言うことは絶対だ。
私は「英語をちょっと覚えている」という満足感をもっていた。
それらの発音が「英語の音」であると、信じて疑わなかった。
おまけに、中学校、高校でも、英語の音を重視するような授業には恵まれなかったから、その固まった日本語しか聞けない耳をほぐして、英語の音を聞き取れるように矯正できたのは随分後のことであった。
★この方法の短所
カタカナ発音ばかりを聞かせられていたら、英語の音はそういうものだと思ってしまいます。
★この方法の長所
小さい頃から、英語という日本語とは違う言葉があることに気づかせることは、外国語、ひいては異文化への興味を促すという点では意味があったと思います。
実際、私は、幼い頃から「日本語とは違う言葉があること」「日本とは違う国があること」に
強烈な興味をもっていました。
小学校の低学年から、外国を舞台にした絵本、小説、海外を紹介するテレビ番組を憧れをもって見ていました。
今の私の原点は、やっぱりその辺りかなと思います。
★修正方法
お子さんに家で英語を教えてみたい方、多いと思います。
「お母さんが子供に英語で話しかける」という方法をとられる方もいらっしゃるでしょう。でも、かなり英語のレベルが高い方でないと、これを多用するのは危険ではないかと思います。
私が、お薦めしたいのは、「英語の歌のCD、CD付き絵本、ビデオ教材などをお母さんが一緒に楽しむ」というスタンスです。
これなら、英語が苦手な方でも大丈夫。
一緒に楽しんでしまうのが、ポイントです。「教えよう」なんて思っちゃいけません。
その時には、カタカナ発音でもいいから、子供の前で、英語を言ってみてください。「聞くだけじゃなくて、真似をして言ってみるのがいいのだ」というのを態度で示すわけです。
本物の英語もしっかりインプットできていれば、子供の英語がカタカナ発音になる心配はありません。
娘が生まれてから、この方法で娘に英語のインプットを始めた私。
同居の母も、時々、カタカナ発音を孫に聞かせてました。
そして、日本語がたくさん出始める頃に、娘の口から出てきたのは、ほれぼれするような英語の音。おばあちゃんの英語を聞いて、「おばあちゃんの、おかしい!」と間違いを指摘する始末。
小さなお子さんがいらっしゃるママさん。
そのうち、「ママの発音、変だよ!」と バカしてくれる日が来るのを夢見て(笑)
お子さんと英語を楽しんでみてくださいね。